えひめ 街の魅力に気づくサイトマチボンヌ

COLUMN
2017.04.14

Midnight”感傷”Travel[writer]c_h_o_b_i_k_o_v

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はじめまして。普通の文化系会社員です。

特に肩書きのない私が企業様のサイトでいきなり文章を書くことになり、お前誰やねん現象起こすこと最初にお詫びしておきます。インターネット上で人様に見せるために文章を書くのはmixi以来なので、何卒お手柔らかにお願いしたい。

さて、こちらは愛媛県松山市で発刊している「マチボン」のWEBサイトということで、タイトルには「街の魅力に気付く」とあります。街の魅力に気付くとはどうしたらいいものかと。私は生まれてから一度も愛媛県意外に住んだ事がないのです。ずっと同じ場所に住んでいると、何が良くて悪いのかなんて深く考えもしないし、それが普通になると内側から気付くのってなかなか難しいものです。仕事でも同じことが言えますよね。

この度、せっかくの機会をいただいたので、どこかの地方で暮らす同じような誰かと自分の未来の為に何かを書いてみたいと思います。

東京はキラキラした街なの?

 

Amazonプライム制作の「東京女子図鑑」というドラマをご存知でしょうか。水川あさみ扮する、東京に憧れを抱く秋田県出身の綾という女性が東京で過ごした約20年間の物語で、住む場所、付き合う男性、仕事が変わることによって起こる心の変化を描いたドラマです。いわば意識高い系の女性が、東京で負けんとするために終始上から目線の語り口調にイライラと痛さを感じながらも楽しみにしていました。でも、華麗にステップアップして行く主人公のキラキラした姿にイライラを感じることに違和感を覚えて来たのです。私、東京のことなんて何にも知らないのにと。

この物語の終盤に、かつての合コンで知り合った男性と10年振りに再開し、「お前さぁ、東京ってまだキラキラした場所に見えてる?」と聞かれるシーンがあります。バリバリのエリートだったにも関わらず、仕事を辞め四国で植林をすると話す彼に、「意味わかんない。」と返す主人公。

私もかつて漠然と東京に憧れていた時代がありました。今こんなことを書くくらいなら何故上京しなかったのか。事情はいろいろありますが、単純に思いの弱さでしょう。

東京から転勤して来た上司がいます。某高級住宅街に住んでいたこと、高円寺の居酒屋に集まってクダを巻いていたこと、五反田の行きつけのイタリアンの話。全く嫌味なく話す上司の話を聞きながら、不思議な気持ちになるのです。まるで遠い海外の国の話を聞いているかのようです。よく東京に入国するにはパスポートがいるって言いますよね。もう東京に対する憧れや羨望はとうの昔に通り越したのだと気付くのです。その気持ちの変化はここで一生を終えるのだという覚悟と諦めが芽生えたからだと思います。

四国最大の都市と言われる松山市界隈で生まれ、数々の不便と不満を感じつつも外へ出ることをせず、薄い都会への憧れをなんとなく抱き青春時代を過ごし、いまそこそこいい年になりました。辛かった事もあったし、楽しかった事もたくさんあった。鬱々とした気持ちを抱えて過ごした何十年間を否定したくはない。これからも自分の居場所を探しながらここで生きるのでしょう。

 

c_h_o_b_i_k_o_v

c_h_o_b_i_k_o_v

愛媛生まれ愛媛在住。普通の文化系会社員。趣味はネットサーフィン。座右の銘は”忘却はよりよき前進を生む”

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