えひめ 街の魅力に気づくサイトマチボンヌ

COLUMN
2018.04.04

ホホホな日々 vol.11[writer]豊島吾一

  • twitter

仕事について

いつもここでは今治ホホホ座としての活動を通して感じたことや、イベントについて書かせてもらっているけど、今回は僕の仕事について書いてみたいと思う。

僕は今治高等学院という学校のような施設の学院長をしている。全員で20人くらいの小さな学校。

ここに通ってくるのは、「学校」という場所に馴染めなかったり、辛すぎてもう家から出るのも億劫になってしまった子供たちだ。出会った時点では、表情も暗く、しんどそうな子供たちを、「勉強も面白いかも」「ギターが弾けるようになりたい」「進学したい」「あんな仕事がしてみたい」「外国に行ってみたい」など、新しい世界への入り口まで連れて行くのが仕事だ。

だから、この学校は、学校のようであり、塾のようであり、ハローワークのようであり、音楽教室のようであり、何もないようで、何でもできるようなヘンテコな場所である。

 

 

たった一人の生徒からスタートした学校です。HPはこちら→http://imabari-k-g.com/

 

それぞれのペースで歩く

子どもたちを、その落ち込んだ穴ポコから復活させて、新しい世界へ連れ出すには時間がかかる。その穴の深さは人によって違い、それぞれがそこから出てくるまでの時間も当然それぞれ違う。だから、僕の仕事のほとんどは「待つ」ことになる。

小学校・中学校とほとんど通えなかったのに、入学初日から卒業まで皆勤で通える者もいれば(通ってくるから大丈夫ってわけではない)、表情が明るくなるまでに1年以上かかる子もいる。悪い仲間との縁がなかなか切れずに苦しむ子もいれば、反抗していたのが嘘のように穏やかな日々を送る者もいる。

その子が今、どういうペースで歩いているのか。速すぎるのか?遅すぎるのか?をよく観察して、その半歩前を一緒に歩く。いつも表情の変化に気を配り、どういう時が楽しくて、何が悲しいのかを、その表情からくみ取っていく。少しでも成長が見えたらすぐに褒めて、理屈に合わない時には率直に苦言を呈す。その繰り返しでこちらを信頼してくれた生徒は、だんだんと変わり始めていく。

一見のんびりしているようだが、この過程は省く事のできない重要なものだ。最近は毎年のように大学へ進学する子がでている。彼らは紛れもなく「自分の力」で未来を切り開き、自分の頭で考えたおかげで進学後の目標もかなりはっきりしている。就職する子どもらも、自分が何をしたいのかをかなり明確に持っている。そこには「楽しんで生きていきたい」という意欲がある。

結局は「自分の人生のハンドルは自分が握っている」ことを知ることが、一番重要なのだ。

 

ホホホ座でブルーハーツを演奏する生徒たち

 

安心感が個性を育てる

「吾一くんの周りはクレイジーな大人ばかりで、学校やめてどうなるかと思ったけど、まだまだ生きていける気がした。」と、今年の卒業生は言っていた。

この卒業生の言葉を受けて、僕らは子どもらと接する時に本当の自分をちゃんと見せているかな?と思う。全ての大人たちは、少し前まで同じ子どもだったのに、自分の不完全な部分や過去の過ちを見えないようにして、子どもらには理想を押し付けちゃってるのではないかな?と思う。学校や家庭や社会にとっての理想的な子どもになって欲しくて、さらに個性を大事になんて、ものすごい宿題だなと思う。

周りを見渡しても、そんな宿題をやり遂げている大人はほとんどいない。大体は、なんとなく生きているうちに大人になってしまった子どもなのだ。そのことは隠そうとしても、子どもらに伝わっている。特に、うちに通ってくるような敏感な子どもらには。

僕の周りはいい意味で「子どものような大人」が集まっている。彼らは子どもらと接するときに、まったく偉そうにしない。普段僕と企画について話しているときと同じように話をする。

ホホホ座に招いているアーティストも、みんなとても優しい。自分の仕事やこの社会が一人では成り立たないことを知り、常に自分の人生の責任を自分で背負っている彼らは、他人にとても優しいのだ。その裏表のない優しさに子どもらは安心して、心を開き、個性を出してくる。

本当の自分でいても傷つけられない安心感が個性を育てるのだ。

仕事着のまま卒業式に駆けつける大人も!

 

学校とホホホ座と

よく保護者や他の学校の先生から「大変な仕事やね~。」と言われるが、実際はそうでもない。そりゃ一時的な事件が勃発したり、辛抱が必要なことはあるが、子どもらと過ごす毎日はとても楽しい。

生徒だろうが、ホホホ座だろうが、ハズミズムだろうが、「そこにいるメンバーで面白いことをしよう」というスタンスで物事に向かうことに変わりはないのだ。今、そこにある状況の中でどうすればお互いにもっと楽しめるか?より充実感を持ってやれるか?をただ考えている。その上で出てくる課題(必要とされる基礎学力、専門的な知識・技術、コミュニケーション力など)に一つずつ対処していく。その繰り返しなのだ。先に課題があって、そのあとに勉強がある。課題から始まる勉強は子どもにとって仕事ではなく、より楽しい人生に進むためのアイテムなのだ。

今年からは学校とホホホ座の関係をもっと密接なものにしたいと思っている。ホホホ座のイベントを生徒と一緒に運営したり、ホホホ座にやって来るアーティストを学校に招いたりしたい。そこで多様な大人たちと触れあうことで、生徒たちに、教わっていない生き方の選択肢が実はたくさんあることを知ってもらいたいと思っている。

4月は今治高等学院の入学式、そして今治ホホホ座の2周年記念ライブ。また面白い1年の幕が上がる。

 

今年の入学式にはASA-CHANGも参加!ASA-CHANGのアシスタントをする生徒

 

ホホホなイベント情報

いきなりイベントがてんこ盛り!

とても素敵なズビズバーのふたり

①今治ホホホ座2周年記念ライブ「春の便り」コンサート

 

Ettの西本さゆりとソボブキの西尾賢による
「スビスバー」のライブを開催。

日時:4月7日(土)18時00分開場 19時00分開演
場所:今治ホホホ座(愛媛県今治市共栄町1丁目3-3)
料金:2,500円(ドリンク別)
ご予約&お問合はコチラ ↓
imabari.hohoho.aono@gmail.com (担当 青野)

 

②ASA-CHANGのドラムカリビアンドラム講座

スカパラの創始者ASA-CHANGが、スカのルーツやカリブのリズムをドラムに落とし込んでレクチャー! 独自のテキストと、ASA-CHANG秘蔵の激レア(!)な映像資料を併用しての貴重な講座です。ドラマーやパーカッショニストはもちろん、「学校で習わない音楽の授業」としても十分に楽しめる座学中心の講座となっております!

日時:4月12日(木)19時〜
場所:今治ホホホ座
料金:2500円(テキスト代含む)
必要な物:筆記用具・(スティック:お持ちの方は)
申込:i.hohoho.za@gmail.com /090-8479-0140(今治ホホホ座)


③『風と蛇の歌』
2018年4月22日(日)
出演:中ムラサトコ(歌、オルガンほか)・Ren (バイオリン)・OHPJ(佐々木ダブ平)
場所:今治ホホホ座 ( 愛媛県今治市共栄町1丁目3−3)
時間:18:00 open 19:00start
料金 前売り2500円 当日3000円(別途1ドリンクオーダー)
[お申込] (電話予約) 090 8479 0140(担当:豊島)
    (Mail予約) i.hohoho.za@gmail.com 

三津浜を拠点に全国で活躍するボイスパフォーマー「中ムラサトコ」が、愛媛の「人が集う場所」をテーマにした作品作りを開始!
その作品の一部として、今治ホホホ座での本ライブを「公開録画」いたします!こんな機会はめったにないですね。ぜひあなたも作品の中にお入りください!

 
豊島吾一

豊島吾一

学校になじみにくい子供のための学校「今治高等学院」の学院長。音楽フェス「ハズミズム」の代表、「今治ホホホ座」共同代表。スティールパンバンド「minamo」のリーダーで今治の雑貨店「うお駒」の従業員。面白そうなことを全部やるべく、とっ散らかった日々を送る。

HP
facebook https://www.facebook.com/imabarihohoho/
instagram https://www.instagram.com/explore/tags/今治ホホホ座/