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マチボン
2018.06.25

Twenty-four Outtakes from Shodoshima Part.1[writer]ミズモトアキラ

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(ほぼ)毎号『マチボン』に登場し、わりと自由を与えてもらっているエディター/DJのミズモトアキラです


ということで、6月25日発売の最新号「恋する小豆島。」でも、旅コラムを6ページ編集/執筆/撮影/デザインさせていただきました。で、5月の終わりと6月のあたまに、1泊2日×2回=計4日間ほど小豆島に滞在。島内を隈なくまわって取材したのですが(連日、真夏日でめちゃくちゃ暑かった)、スペース的に載せられなかったり、載せたけどサイズが小さかったり、撮ってはみたものの掲載自粛した写真が、たくさん手元に残ってます。

いつもならゴミ箱行きになってしまうのですが、今回は小豆島にちなみ”Twenty-four Outtakes from Shodoshima”と銘打ち、24枚のアウトテイクをご紹介させていただきます。今回は前半として12枚、後日また後編12枚をアップする予定。ぜひ「恋する小豆島。」に掲載されているコラムをご覧いただいたのち、こちらを見ていただけると幸いです。

 

①本誌の中では切り抜きで使った銅像の写真です。コラムにも書いたのですが、小豆島では至るところで、こういう銅像や記念碑をたくさん見ました。銅像自体はもちろん全国各地にたくさんあると思うんですけど、見かける頻度があまりに多かった気がするというか(その理由については、本誌のほうで考察しています)。
これは土庄港のロータリーにある彫刻「平和の群像」の横にあった、堀本文次という人の銅像です。堀本さんは今は亡き小豆島バスの会長で、映画『二十四の瞳』に自ら校長役で出演するなど、小豆島観光の発展に寄与した人らしいです。もう一枚切り抜きで本誌に載せた、なぜか3番の歌詞がフィーチャーされている「オリーブの歌」の記念碑も、この場所に並んで建っています。つまり島の玄関口からして、さっそく銅像密集地帯なのです。

②ビートたけし×ヤノベケンジの作品が展示されている「美井戸神社」に向かう参道沿いで見かけた住宅。木造2階建ての一般住宅なのですが、漆喰の蔵、そしてトタンの外壁もミクスチャーされていて、この家が持つ歴史というか、時間軸のようなものを感じることができます。つまり、一見してふつうなんだけど、よく見ると只事ではない異質さ……みたいなものが潜んでいます。個人的にはかなり”萌え”たお宅でした。



③坂手からいわゆる〈醤の郷〉に向かう途中、廃墟になっている大きなホテルがありました。不法侵入になってはいけないので、開けっ放しのエントランスから中をちょっと覗いただけなんですけど。もちろん内部は荒らされていましたが、思ったよりも原型は留めたまま。さまざまな備品とか電気製品などがけっこうきれいな状態で散乱していました。廃業後、何年経ってるかはわかりませんが、離島という閉鎖された環境のせいで、充分に保存(?)が効いているらしく、マニアには有名な物件らしいです。ちなみに、このホテルの後ろに建っている別のホテルも廃墟状態だったそうなんですが、現場ではまったく気が付きませんでした。


④廃墟ホテルから少し行ったところで、国道から逸れる〈おへんろ道〉の表示がありました。大きな道路沿いを歩くのに、飽きてきた頃だったので、よろこんで回り道。エリアで言うと、古江という集落。ちょうど『二十四の瞳』の舞台となった田浦岬の付け根のあたりかな。そこで見つけたのがこの古いタバコ屋さん。最初は店先のショウウィンドウに整然と並んだ、かわいいマスコットたちに惹かれてシャッターを切ったのですが、よく見ると店の中にも同じくらいの大きさのオモチャがビッシリと並んでいて、ちょっとだけゾクッとしました。


⑤本誌コラムにも書いたのですが、内地にあったら、とっくにショッピングモールなどに蹴散らされているような個人商店が、小豆島ではけっこう生き延びています。もちろん看板だけが在りし日を偲ばせるような、こうしたシャッター物件も多々あるのですが。こちらの手芸屋さんもかつては小豆島マダムにとって、無くてはならないお店だったことでしょうね。屋号などは特に見当たらず、アルミ板の切り出しで表現された”Knitting salon”のデザインがかっこよくレイアウトされていて、すぐに目を奪われました。

⑥これもお亡くなりになった店シリーズ。ちゃんと確かめてないのですが、看板の寂れ方からして、ずいぶん営業されてなさそうです(されていたらすいません)。この〈ガクブチの店〉が消えたとき、小豆島の画家や写真家たちは、さぞ悲しんだことでしょう(消えてなかったらすいません)。で、看板に添えられたキャッチフレーズ〈良い品・安い店〉や〈自筆印刷〉というのはわかるんですけど、〈絵皿〉というのはなんなのか。いわゆる絵の具を溶くパレットのことなのか、それとも「春のパン祭り」などで手に入る、絵柄が描かれたお皿のことなのか……いったいどちらなのでしょう? パレットが主力商品になりうるとも思えないし、自筆印刷と「・(コロン)」で繋いであるから、自分で描いた絵をお皿にしてくれるってことなのかな……(と永遠に自問自答)。


⑦これは本誌にも掲載した写真なのですが、大判サイズでご紹介させてもらいます。ノートやスケッチブックなどに何かを書くとき、用紙の大きさに対して、異様に小さな字や絵を書く人っていますよね。それを思い出しました。これだけデカデカ作ったんだから、もっとちゃんとした大きさで書けばよかったんじゃない?

───あ、今、気づいたんだけど、上に〈掲示板〉とあるので、各地域のお知らせなどを貼り出すために作ったのかもしれない。本来の意義がわかりにくくなってるんで、めんどくさがらず、ぜひなにか貼っといてください(笑)。

 

⑧土庄東港のそばにスナックやバー、遅くまでやっている飲食店などが密集した小さな歓楽街(浮世小路)がありまして。夜、オリーブ温泉でひとっ風呂浴びたついでに、ちょっとだけブラブラしたのですが(どこにも入店はしていません!)、妙に旅情が掻き立てられるというか、遠くに来たな〜(実際は同じ四国なんですけど)と気持ちが昂りました。歓楽街とはいえ、けっこう暗くて夜はロクな写真が撮れなかったから、翌朝もういちど行ってみましたよ。わざわざ……。

これはおそらくスナックのお客さんを泊まり先のホテルなどに送迎するための車じゃないかと思います。ロゴのデザインは秀逸(細野晴臣さんの『泰安洋行』や『トロピカル・ダンディ』的……と書けばわかる人にはわかるかも)だし、SNACKではなく、SUNAKKUと書いてあるところも最高です。見つけたときは、ひとり心のなかで「やった!」と思いました。


⑨これも浮世小路。このイカれたデザインの建物を夜の散策で見つけたときは、てっきり現役の店かと思っていたのですが、すでにお亡くなりになっているようでした。この左隣にはびっくりドンキーみたいな外装のバーがあったり、右隣にはどデカい星条旗が壁に描かれた「アメリカ」という名前の飲み屋が、また正面にはクリスマスツリーのような豪華な電飾が目立つ「マリポーサ」というスナックがあって、夜の小豆島もエキゾティックでずいぶん楽しそうです。


⑩これも浮世小路のご近所。実際はマンションの貯水タンクなんですが、巨大なオブジェかな? と一瞬、勘違いしてしまいました。いったん目が芸術モードになると、なんでもアートに見えてきますね。写真をご覧になってわかるとおり、カメラを向けていると、けっこう遠目からだったのに、めざとく工事のおじさんがぼくを見つけて、じつに不審そうな表情で見つめ返してきました。ほんとはシレっと作業を続けて欲しかったんだけどね。しばらくしても、ぜんぜん目線を外してくれなかったので、あきらめました(笑)。

⑪鹿島海水浴場沿いの歩道で発見した横断注意の看板。潮風と直射日光で劣化して、実にいい感じになってます。鹿島青年団というパンクバンドがインディーレーベルからリリースしたレコードジャケット、みたいな趣。


⑫横断注意シリーズ、その2。この絵も見つけたときは「やった〜〜!」と心のなかで大声を出してしまいました。いや、ひょっとしたら、すこし声が外に漏れ出してしまってたかもしれません。それくらいうれしかったし、心が震えました。やなせ先生のオリジナルを無視した、妙に人間臭いボディバランスも最高だし、ジャムおじさんが乗っているUFOみたいな車もいい。交通安全を意識して、シートベルトもちゃんと描いているところも芸が細かい。このまま文字要素を消して、ギャラリーにでも飾れば、モダンアートとして認められてしまうかも。



↑ イメージ。わざわざ作りました(ヒマなのか?)。

といったところで前篇はここまで。残りの12枚はまた次回に。

ミズモトアキラ

ミズモトアキラ

エディター&DJ / 1969年、松山生まれ。2013年から活動拠点をふたたび愛媛に。音楽、映像、写真、デザインなどを多角的に扱い、テキスト、編集、デザインを手がける傍ら、トークイベントやワークショップの主催も精力的に行っている。

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