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COLUMN
2018.07.26

ホホホな日々 vol.13[writer]豊島吾一

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四十路の歩き方

東京から愛媛にかえって、はや13年が過ぎようとしている。僕も今月40歳。立派な中年のおじさんだ。30歳になったときにも思ったが、30歳になろうと40歳になろうと中身はあんまり変わってない。相変わらず心躍る音楽と楽しい遊び、嬉しい繋がりを求めて歩いている。

しかし、ここにきて残りの人生の歩き方を考える時が来たなとはっきり感じている。そう、人生のゴールがちらちらと見え始めてきたのだ。今から僕がサッカー選手になることはありえないし、億万長者にもなれない。出来ることって、生きれば生きるほど日々限定されているわけだ。

では、ここからどう生きていくか?いや、むしろ死んでいくか?今回はそのことについて書いてみる。

 やりたいこと、やるべきこと

30代を過ごしてきて、自分の中に起きた一番の変化は、自分が楽しいだけでは満足できなくなったことだ。ハズミズムもそうだし、今治ホホホ座もそうだけど、お客さんはもちろん、関わってくれるみんなが楽しんでいないと自分も楽しめなくなった。

さらにいうと、その日だけが楽しくても満足できない。この企画を続けたらそのうち思いもよらないことが起こるかも?という予感や、誰かが加わることで劇的な変化が起こるかもしれない可能性や、形を変えながら続けていけそうな手応え、今治を訪れるアーティストとの間に生まれる、今後も何かを一緒に作っていける関係性。そういうものがないと面白いと感じなくなってきた。

「自分一人で出来ることは本当にたかが知れている。」ということ。こんなの子供のころから色んな場面で目にし、耳にしてきた。でも本当の意味ではわかっていなかった。それをハズミズムや今治ホホホ座の活動を通して、40歳になってやっと体感として自分の中に刻むことが出来た。

自分がやりたいこととやるべきこと、実際にやれることの最大公約数的な一致。これが人生を楽しく生き切るための鍵のひとつではないかと感じている。

自然に認め合える場所を作ろう

まず僕の活動の根本には、子どもたちがいる。今治に返ってから職場である今治高等学院、学習塾、休日に行う中ムラサトコさんとのワークショップ、フットサル教室、ハズミズムなどで色んな形で幅広い年齢層の子どもたちと関わって来た。

いい関係を作れたこともあれば、うまくいかなかったことももちろんある。それでも、現在の教育や社会の中ではなかなか手が回らない部分に触れてきた。学校やワークショップを通じて子供らの興味や視点を広げたり、捉えようの無い不安を解消したり、無意味な制約をとっぱらい、お互いの差異を超えて一緒に楽しむ機会や時間をずっと目指して来た。

子どももおとなも一緒になって楽しむハズミズムのステージ

 

今からはこれらを整理し、年代や障害の有無を超えて一緒に過ごし、活動できる風通しのいい場所を作れたらと思っている。大人も子どももそれぞれが興味のあることを中心におき、自由に活動したり研究したりでき、互いを尊重し、許し合い、支え合う関係性の中で過ごせるスペース。そういうものを作りたいのだ。そこでは今まで繋がってきた信頼できる友人や素晴らしいアーティストのみなさんに関わってもらうつもりだ。

不思議なもので、この目標を立ててからというもの、これまでの繋がりや活動はもちろん、新たな出会いまですべてがそこへ向けて流れ始めているのを感じている。

今治ホホホ座について

ここまで書き進めたところで、西日本豪雨災害が起きた。今治ホホホ座は被害が大きい南予に運び込むための支援物資を集め、それを大洲方面に届け、さらにそれを別の被災地に向かう団体や個人にシェアしたりして、災害発生初期に自分たちで出来ることを考え、出来る限り実行してみた。物資を届けるために初めてホホホ座を訪れた人もたくさんいて、初めて顔を会わせながらも、やれることを一緒にやりましょう!と声を掛け合った。

支援物資で一杯になったホホホ座

 

今回ほど今治ホホホ座をやってきて本当によかったと思ったことはない。

人と人、ニーズとニーズを繋いでいこうと思って中心市街地で活動してきたことの蓄積で、みんなが困っているときに少しでも担える役割があった。これこそホホホ座が進むべき道だ。普段はなるべく楽しい活動を通していろんな人と繋がっておいて、本当に必要なときに助け合える関係を構築していきたい。それはみんなでやるフェスのような楽しい活動も中心市街地の復興も、災害時の協力も同じだ。すべて、毎日、繋がっている。

7月15日の島崎智子ライブは予定通り開催しました。

 

8月、今治ホホホ座では面白いトークセッションが行われる。西村佳哲さんの新著の出版記念トークだ。本のタイトルは「一緒に冒険をする。」。

そうか。僕は、出会ったみんなと一緒に冒険したいのだ。四十路を迎えて、そんなことも思っている。

ホホホなイベント情報

《西村佳哲「一緒に冒険する」出版記念トーク》
出演:西村佳哲(働き方研究家、リビングワールド代表)
   森山幸治(岡山市議会議員、サウダーヂエンタテインメント代表 )

【日時】2018年8月18日(土)19:00~21:00 
    *トーク終了後は本の販売会
【会場】今治ホホホ座(今治市共栄町1-3-3)
【料金】2,000円(1drink付)
【予約】i.hohoho.za@gmail.com / 090-8479-0140

お金を使うか、働くかしないと居場所を得にくいこの世界で、人間の居場所をどうつくり出してゆくか。与えられた枠組みの中で上手に生きるのではなく、それをまわりの人々と一緒につくり直していく。西村佳哲さんの新著「一緒に冒険をする」は、そんな力をもつ約10名と交わされたインタビュー集です。
この「一緒に冒険をする」という感覚、まさに地方で生き、互いに繋がりながら共に居場所を作り出していく私たちにとって重要な感覚では無いでしょうか?
今回は本の中身はもちろん、この本を記していく中で西村さんが感じた事などを深くお聴きするため、著者の西村佳哲さん、さらに本の中にも登場されている岡山市の市議会議員森山幸治さんも招いたトークイベントを開催します。ぜひご参加ください。

豊島吾一

豊島吾一

学校になじみにくい子供のための学校「今治高等学院」の学院長。音楽フェス「ハズミズム」の代表、「今治ホホホ座」共同代表。スティールパンバンド「minamo」のリーダーで今治の雑貨店「うお駒」の従業員。面白そうなことを全部やるべく、とっ散らかった日々を送る。

HP
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