12年ぶり2度目の年女を終えて、人生の分岐点に立っている自宅女子Hikari。「そろそろ生き方を変えるべき?」と、手っ取り早く思いついたのは一人暮らし。どうせだったら素敵な部屋で自分らしく生活したいから、生き方のヒント、部屋づくりのアイデアを探すために、憧れの3人の家へ。果たして、暮らし探訪を終えたとき、彼女は「自宅女子」を脱却できるのか…。
『食べる』を中心にした里山の家
ガラガラと戸を開けると、なんともいえない甘い香りが漂ってきた。
懐かしさ満点の土間は、いきなり広い台所へとつながっている。
リネンのエプロンを着けて、笑顔で出迎えてくれたYUKIさんと会うのは2回目。
彼女が主宰する料理教室に参加して、穏やかな人柄と美味しいお料理、
そして築100年を迎えようとしている家の大ファンになったのだ。
『こんにちは』より『ただいま』という言葉がしっくりくるYUKIさんの自宅兼スタジオ。
生活感がほどよいスパイスになっている。
春とはいえ、まだ肌寒いその日、
薪ストーブからはパチパチと心地よいリズムが響き、
オーブンに入れたスコーンがちょうど焼きあがった。
シナモンとジンジャーをきかせた豆乳のチャイを淹れるお手伝いをして、早速おやつタイム。
玉ネギは太陽や風などの自然の力を借りて保存。
植物性の食材をメインにしたオリジナルレシピを学べる
鉄のフライパンで胡麻を煎る。「初めてだけど楽しい!」とHikariさんご満悦
すり鉢でゴリゴリとあたると香ばしい胡麻の香りが広がる
お玉やすりこぎは特注で作ったもの。使いやすいだけではなくコロンとしたデザインがかわいい
窓の外に広がる里山の景色を眺めつつ、たわいのないお喋り。
Yeah! なんて豊かな時間。
こんな家で暮らしたら、きっとYUKIさんみたいなやさしい人になれるはず…。
方向性、早くも見つけられたのか私…、と思ったが、
この暮らしってあくまでも料理が上手で、
庭の手入れや鶏の世話など骨を惜しまず働く人にしかできないんじゃ…。
うん、いったん、ちょっと落ち着こう。
内原 由季さん
「いのちを育むのは家庭の台所から」という想いのもと、心と体にやさしいごはんとおやつづくり。
自然豊かな今治市玉川町にて、食養生の料理教室を主宰している。
米や野菜も作りながら、心穏やかに生きるための暮らしを家族で実践・模索中。